真・腕時計選びの秘孔

オメガかタグ・ホイヤーが良いかと思っていたけど、やはりロレックスやIWCも捨て難い。いっそのことパテック・フィリップを、と思ったけど、どうやらグランドセイコーも随分と良いものらしい。ちょっと待て、新しいのも良いけど、中古を買ったほうがお得らしい。なんて考えていたら、アンティークウォッチも良いかもしれない。。。 どこまでも果てしなく拡がる時計の世界の、転ばぬ先の杖。になればよいのですが。

2017年02月

前回私は、オメガが随分と頑張って作った(に違いない)グローブマスターについて
色々書いてみたつもりだったのですが、

何だか物足りず、取り急ぎこの写真を張り付けてしまうのです。

001

ムカシの12角文字盤に青いのがあったような気がしないのですが、
見事な青を呈するアクアテラで大成功を収めたオメガは、
グローブマスターにおいてもモダンで都会的なブルーを発色させることで、
12角文字盤に新たな魅力を加えて見せたのです。

と、いうことで
初のマスタークロノメーター所得機として登場したこのグローブマスター。

マスタークロノメーターとは何か?
との当然の疑問については、
当然の事ながらオメガの公式サイト
これでもかという程に書いてあるのですが、

ここで私に何が書ける訳でもないくせに
強いて上塗りをするとするならば、

オメガがスイス連邦計量・認定局
(Swiss Federal Institute of Metrology:METAS)に働きかけて
制定したらしいマスタークロノメーター、

これは決してオメガの為だけに作ったものではなく、
全てのメゾンに対して開かれているもの、
とオメガが説明していたのをどこかで読んだことがあるのですが、

これはオメガの長年に渡ってスイス時計業界を牽引してきたボスたる自覚か、
はたまた同業他社に対する挑戦状か、
東の果ての小さな国に住むいち小市民の私に分かるはずもありませんが、

取り急ぎ耐磁性能というものは
現代社会においてわざわざ機械式時計などを使用するにおいて
誠に有用な性能であることに違いはなく、

しかしオメガがこの超耐磁性能のデモンストレーションを披露してから早3年以上、
15,000ガウスもの強力な磁場に耐えられる時計を作れるものなら
他のメゾンもとっくに作っていそうなもののような気がするのでありますが、

これが少なくとも今のところはオメガ以外には
量産に成功しているメゾンは存在していないようであり、
すなわちこれはやはり、結構にして凄いことではないか、
と思うのです。

長年機械式時計に慣れ親しんできた人にとっては、
いくら大丈夫だと言われてもスマホの上に腕時計が乗っかっているような光景は
見るに堪えない、見苦しいものにしか映らないのであり、
そんな事をするはずもないのですが、

これが機械式時計の初心者の方の中には、
自覚のないまま日々時計をムチ打っている人も少なからず存在するのであり、
それでも壊れない時計というものの存在意義は
今後更に高まるように思えてならないのです。

しかし何より、かつて高精度のシンボルとして採用した意匠を
こうして初のマスタークロノメーター所得機に蘇らせたオメガ、
これが魅力的で無いはずがない、、、

ついでに丸形微動緩急針も復活すればいいのに、
Cal.8900 T2 RGなんて特別なムーブメントも作ればいいのに、
なんて思う私はやはり駄目に違いない。

と、東の空に向かって一人微笑む私でした。



相変わらず脈略の感じられない展開にて誠に恐縮ながら、
今日は何となく、
オメガがオメガらしく作ったように思えてならないグローブマスターについて
考えれば考える程にそう思えるグローブマスターについて、
うじうじとやってみよう、

という事でこの時計。

001

そのケースが描く曲線は、
かのマエストロが手掛けたといわれる
コンステレーションCラインを思わせるのです。

しかし本作においてはそのアウトラインに
微妙な調整を施すことによって、
オリジナルの持つ時代の色を消し去り、
見事なまでに現代のものとしているのです。

そんなケースにフィットされた、
どこかで見たことがあるような気がする、ギザギザのベゼル。

これが硬いタングステン カーバイドなる金属で作られており、
傷がつきにくいというのはとても気が利いているではないですか。

ということで急に話題は変わり、
適度な厚みと重量感を持ち、
ラグから流れるように連なるブレスレット。

一見往年のキャタピラブレスを思わせるシンプルさでありながら、
コマの中央部から両端へなだらかに薄くなる形状を持っており、
細々と面取りされたエッジと共に、装着感への配慮が見られるのです。

その動きは若干遊びが少なすぎる感もありますが、
これが現代的な剛性感というものなのでしょうか。

クラスプはアクアテラをはじめ現行のオメガがやたらと多用している
両ボタン付きの観音開きであり、

当然ながら操作上の問題は無いにせよ、
6時側をはめ込んでから12時側をはめ込む、
この順番を守らなければならず、

更に開けるときは両ボタンを押し込んでまず12時側を開放し、
その後引っ張って6時側を開放する、

要するに開閉時共に2つの操作が必要であり、順番も有り、
当然のように慣れてしまえば何の事は無いのでしょうが、
慣れるまでは若干ご面倒な感じがするかもしれない、
と一抹の不安が有るのです。

ということでこの時計のハイライトはやはり顔、
言わずと知れた12角形のパイ皿文字盤がここに復活したのであります。

しかし何故か妙に懐かしくない、
何が違うのだろうと新しいパイ皿をしばらく眺めていて気付いてしまったのです。

ムカシのパイ皿は12角形の僅かなエッジ部分にミニッツ兼セコンドトラックが存在し、
すなわち長針、秒針共にその先端は12角形の上をスイープしていたのでありますが、
新しいパイ皿ではミニッツトラックが普通に最外周にあるのです。

更にコンステレーション登場当初の1950年代前半から
1970年代半ば頃までの長きに渡って存在した往年のパイ皿には
これでもかという程に必ず(?)ドルフィン針が採用されていたのでありまして、

そして実はこの私、何を隠そうドルフィン針が大好物なのであり、
これがバトン針とバーインデックス、
こんなものはもはやパイ皿とは呼べない、
とまで思ってしまうのでありますが、

これは全てがマエストロのCライン的ケースとの親和性を優先した結果、
そうに違いないと私は勝手に決めつけているのであります。

そしてやはり気になる "Globemaster" のロゴ。

グローブマスターは元々1950年代、
時計の完成品に高い関税を掛けていた当時のアメリカの市場向けに
アメリカ国内で生産した外装パーツに
スイス製のムーブメントを組み込むことで価格を抑え、
アメリカンブランドに対抗したという歴史の中に生まれたモデル名であり、

それが1952年に誕生したコンステレーションとどう関係あるのかと言いますと、
当時のアメリカにおいてコンステレーションという商品名は
既に商標登録されていた関係で使用出来ず、

仕方なく文字盤上からコンステレーションのロゴを取り去って
グローブマスター・クロノメーターとして売り出した、
という事のようなのです。(馬蹄俱楽部、万歳!)

要するに、 "Globemaster" のロゴが入ったクロノメーター所得機は
実は今回が初登場なのでは?との疑いが無きにしも非ずなのでありますが、

しかしやはりそんなことは世間様には特に関係の無いことに違いなく、
それより何より、裏蓋をトランスパレント化しておきながらも、
中央に天文台のメダリオンを入れることを忘れなかったオメガ、
やはりこれは素晴らしい。

とひとり肯く私でした。


79220n (2)


私はここ最近何故かヴァシュロン・コンスタンタンの
コンプリケーションについてダラダラ書いてしまっておりましたが、
やはり難しい時計を簡単に説明できるはずもなく、

しかしこれをそのまま続けていたら
何時抜けられるか分からなくなるような気がしまして
ここらで一旦リセットしてみたらどうかと思ったり、、

とかやっていないで、本題です。

昨年インハウスムーブメントに切り替えられたチュードルのブラックベイ。

3色のベゼルやイカ針が引き継がれ、ブレスがリベット(風)になって、
パワーリザーブが長くなって、クロノメーターになって、良かった、良かった。

等と思っていたら、文字盤に異変が発生していたのです。

そうです。
文字盤上から愛おしきバラのマークが消滅してしまったのです。

更には円弧状に刻まれた "SELF-WINDING" の表記も
直線状のクロノメーター表記に変わってしまったのです。

特に私的に気に入っていたレッドトップのブラックベゼル、
これについては私がここに繰り返すまでもなく、

レッドトップのブラックベゼル + バラ文字盤

この素晴らしい取り合わせは
2015年の秋位から半年程度しか生産されておらず、
そして今、このRef.79220Nは静かに姿を消そうとしているのです。。。
 
それは2015年のアンティコルムのチャリティーオークション、
"ONLY WATCH"での出来事でした。

名だたるメゾン達が1本のみ製作したスペシャルピースを持ち寄り、
毎年のように開催されるこのオークションに

チュードルはRef.79220をベースとして、
1950年代に登場したチュードルのサブマリーナ、
Ref.7923の文字盤とベゼルの意匠を復刻した「爆弾」を投入、
375,000スイスフラン(=4せんまんえん強)という
恐るべき落札価格を記録したのです。

tudor-black-bay-one

これと時期を同じくして登場したRef.79220N、
これはこれでまた熱心なファンの関心を集めたのは確かであり、
こんな時計がこんな短期間で生産終了とは、
これは困ったものと感じているのは私だけではないはずなのです。

しかしながら圧倒的大多数の人々にとって、
どうでも良いに違いないことをこうしてずるずると綴っているうちに、

これを機に再び絶滅の道を行く”バラサブ”、
ベゼルの色はもはやどうでも良いような気もしてきたのでありますが、
やはりブラックベゼルは一際の愛おしさを放っているのです。

しかしながら私にもはや出来る事は何も無く、
無力な自分を改めて思い知る〇〇歳の早春、
なのでありました。



ということで、前回単なる作業に陥った教訓を胸に、
またこうして書き始めてしまったのでありますが、

レ・キャビノティエ・ セレスティア・アストロノミカル・グランド・コンプリケーション 3600という時計、
何本作るのかと言いますと、これが何と1本のみのようでありまして、

これはきっと肉眼で拝める機会は無いに違いない。
なんて思うと
半ばどうでも良くなって来たりするのも人情の様に思えるのですが、

直径45ミリ、厚さ13.6ミリという、
だいぶ大きいけど一番大きい訳でも無いようなサイズに
これだけのものを凝縮した、

そしてこれだけ大量のアウトプットを簡潔かつ機能的に見せながら、
ヴァシュロンらしい意匠としてまとめ上げたこの外観、
やはりこれはタダゴトではない。

などと改めて感心していたら、
メティエ・ダール・ コペルニク・スフェール・セレスト 2460 RTという
これまたタダナラヌ名前の付いたモデルも同時に登場しているのでありまして、

なんとこれがコペルニクスの地動説にトリビュートを捧げるもの、
という果てしなく壮大で、何故また今更、とも思えなくもないテーマを持ったもののようであります。

これに搭載されるキャリバー2460 RTというムーブメントは、
地球の楕円軌道上の公転を実に8000年に1日分という恐るべき精度で再現するんだそうです。

恐らくは太陽系内の地球の位置が分かったとしても
これが便利だと感じる人は殆どいないのでしょうが、

何だかとってもロマンチックで夢があるように感じるのは
私だけでしょうか。

そしてその地球の動きを邪魔しないように、
時分針は文字盤最外周を回る三角形のポインターで表現されています。

しかしそれより何より、そのメルヘンチックかつクラシカルな文字盤、
これもこのモデルの大きなポイントの一つでしょう。

・グランフー・エナメルによるアート
・彫金のアート
・サファイアクリスタル上でのレーザーエングレービングと手彫り彫金との共演

以上の極めて強い個性を発する3種類の文字盤が用意されており、
その全てが高倍率のルーペを使用しなければ気づかないほどの
ミクロな仕事に溢れているようであり、
その様は文字通りの小宇宙のようであります。

このモデルについては特に限定数の表示が無いことから、
もしかするとそのうち現物を拝める日が来るかもしれない、、、

と無意味にワクワクしてくるのであり、
買えるか買えないかで言えば間違いなく後者なのでありますが

そんな事はどうでも良くて、
ただその世界観に素直に憧れてしまう、
これこそ天文時計の醍醐味なのか何なのか分かりませんが、
私はメティエ・ダール・ コペルニク・スフェール・セレスト 2460 RTという時計達、
とっても気になってしまったのであります。

興味が持てなければそこまでですが、
出来れば色々なことに興味を持ってみるというのは
決して無駄な事ではない、

そんな気がした今日この頃でした。


そうなのです。

前回私は、今年のSIHHはどうなっているのか、
取り急ぎはヴァシュロン・コンスタンタンのサイトを見て、
大変だ、大変だと騒いだだけで終わっていたのですが、

ここで気を付けるべきは、
私はサイトを「見た」だけで「読んで」いなかった、

更には今を遡る事2年、
私はクッションケースと古典的クロノグラフムーブメントが魅力的過ぎる
ハーモニーコレクションに完全に心を奪われてしまったのであり、

ヴァシュロンの260周年を祝う超大作であり、
「世界で最も複雑な懐中時計」として生まれた
Ref.57260を完全に無視してしまっていた。

以上の軽率な行為の積み重ねによって
前回の記事が生まれた訳ではありますが、
取り急ぎは誤解したまま書いた内容が含まれており、

「自分で書いたことは自分で責任を取りたい」
と、いつかどこかで書いたような気がしますが

しかし圧倒的多数の方々にとっては特に気にならず、
どちらでも良いと言えばどちらでも良いに違いないのでしょうが

取り急ぎは当然の事ながら
私のようなヤカラが軽口を叩いて終了出来るようなモノでは
当然のように無いのでありまして、

何を言いたいのか遂に分からなくなって来たところで本題です。

ヴァシュロン・コンスタンタンのサイトを眺めるに、
確かに初めて目に飛び込むのは壮大なるRef.57260

この時計、

太陽平均時を刻む球体ヒゲゼンマイを備える3軸トゥールビヨン、
世界24都市のワールドタイム表示と12時間式昼夜表示、
グレゴリオ暦永久カレンダー(!)、
ユダヤ暦カレンダー(?)、
太陽針による季節、12星座表示、
天文表示、
恒星時、分、
均時差表示、
日の出、日没時刻表示、
昼夜それぞれの長さ表示、
ムーンフェイズ(月相、月齢)表示、
ヨム・キープル日付表示(?)、
レトログラード式のスプリットセコンドを備える、レトログラード式秒針付きクロノグラフ(!)
アラーム機能、
グラン・ソヌリ/プティ・ソヌリ、
アラームのトルク表示(!)
5つのゴングを備えたウエストミンスター・カリヨン(!!!)、
ミニッツ・リピーター
夜間モードのサイレンス機能(!)
秘密の仕掛け(???)

以上からなる57の複雑機構を備え、ジュネーブシールも所得している、
これはこれは大変な時計のようであります。

そして普通このようにトップに出てきた画像を見て、
「お、これが新作ね。」
と思うのが人情というものなのかも知れませんが、

これは実は2015年初出のものであり、
今回の新作であるレ・キャビノティエ・ セレスティア・アストロノミカル・グランド・コンプリケーション3600という時計が、この57260に続いて「世界で最も複雑な腕時計」となる、

更には今回紹介する新作が
天文学をテーマにした機能を満載している点で
57260と方向性を同じくしている、

ヴァシュロンさんはこのように伝えたいが為に57260の画像をトップに貼った、
という事のようなのです。

名前からして全く普通ではないこのレ・キャビノティエ・ セレスティア・アストロノミカル・グランド・コンプリケーション3600という時計、
その開発に5年掛かっており、

ムーブメントの部品点数が514点であり、

時、分、
永久カレンダー、
デイ/ナイト表示、
高精度ムーンフェイズ、
月齢、
連続作動均時差表示、
日の出・日の入り、
昼夜の長さ、
四季、至点、分点、
黄道12星座、
潮位表示、
太陽-地球-月の位置関係(合、衝、矩)、
北半球の透明な天空図(銀河表示、黄道および天体の赤道付き)、
恒星時の時と分、
トゥールビヨン、
3週間パワーリザーブ(6個の香箱による)、
パワーリザーブ表示
・・・
思わずコピペしてしまいましたが、
確かに57260の縮小版(?)的な内容のようにも思えるのです。


とかやっていたら、記事作成が単なる作業の様になって来まして、

そして既に絶望的に縦長になっているようであり、
取り急ぎこの続きはまた続編にて、、、

と強制終了せざるを得ない私でした。

caliber3600

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