相変わらず脈略の感じられない展開にて誠に恐縮ながら、
今日は何となく、
オメガがオメガらしく作ったように思えてならないグローブマスターについて
考えれば考える程にそう思えるグローブマスターについて、
うじうじとやってみよう、

という事でこの時計。

001

そのケースが描く曲線は、
かのマエストロが手掛けたといわれる
コンステレーションCラインを思わせるのです。

しかし本作においてはそのアウトラインに
微妙な調整を施すことによって、
オリジナルの持つ時代の色を消し去り、
見事なまでに現代のものとしているのです。

そんなケースにフィットされた、
どこかで見たことがあるような気がする、ギザギザのベゼル。

これが硬いタングステン カーバイドなる金属で作られており、
傷がつきにくいというのはとても気が利いているではないですか。

ということで急に話題は変わり、
適度な厚みと重量感を持ち、
ラグから流れるように連なるブレスレット。

一見往年のキャタピラブレスを思わせるシンプルさでありながら、
コマの中央部から両端へなだらかに薄くなる形状を持っており、
細々と面取りされたエッジと共に、装着感への配慮が見られるのです。

その動きは若干遊びが少なすぎる感もありますが、
これが現代的な剛性感というものなのでしょうか。

クラスプはアクアテラをはじめ現行のオメガがやたらと多用している
両ボタン付きの観音開きであり、

当然ながら操作上の問題は無いにせよ、
6時側をはめ込んでから12時側をはめ込む、
この順番を守らなければならず、

更に開けるときは両ボタンを押し込んでまず12時側を開放し、
その後引っ張って6時側を開放する、

要するに開閉時共に2つの操作が必要であり、順番も有り、
当然のように慣れてしまえば何の事は無いのでしょうが、
慣れるまでは若干ご面倒な感じがするかもしれない、
と一抹の不安が有るのです。

ということでこの時計のハイライトはやはり顔、
言わずと知れた12角形のパイ皿文字盤がここに復活したのであります。

しかし何故か妙に懐かしくない、
何が違うのだろうと新しいパイ皿をしばらく眺めていて気付いてしまったのです。

ムカシのパイ皿は12角形の僅かなエッジ部分にミニッツ兼セコンドトラックが存在し、
すなわち長針、秒針共にその先端は12角形の上をスイープしていたのでありますが、
新しいパイ皿ではミニッツトラックが普通に最外周にあるのです。

更にコンステレーション登場当初の1950年代前半から
1970年代半ば頃までの長きに渡って存在した往年のパイ皿には
これでもかという程に必ず(?)ドルフィン針が採用されていたのでありまして、

そして実はこの私、何を隠そうドルフィン針が大好物なのであり、
これがバトン針とバーインデックス、
こんなものはもはやパイ皿とは呼べない、
とまで思ってしまうのでありますが、

これは全てがマエストロのCライン的ケースとの親和性を優先した結果、
そうに違いないと私は勝手に決めつけているのであります。

そしてやはり気になる "Globemaster" のロゴ。

グローブマスターは元々1950年代、
時計の完成品に高い関税を掛けていた当時のアメリカの市場向けに
アメリカ国内で生産した外装パーツに
スイス製のムーブメントを組み込むことで価格を抑え、
アメリカンブランドに対抗したという歴史の中に生まれたモデル名であり、

それが1952年に誕生したコンステレーションとどう関係あるのかと言いますと、
当時のアメリカにおいてコンステレーションという商品名は
既に商標登録されていた関係で使用出来ず、

仕方なく文字盤上からコンステレーションのロゴを取り去って
グローブマスター・クロノメーターとして売り出した、
という事のようなのです。(馬蹄俱楽部、万歳!)

要するに、 "Globemaster" のロゴが入ったクロノメーター所得機は
実は今回が初登場なのでは?との疑いが無きにしも非ずなのでありますが、

しかしやはりそんなことは世間様には特に関係の無いことに違いなく、
それより何より、裏蓋をトランスパレント化しておきながらも、
中央に天文台のメダリオンを入れることを忘れなかったオメガ、
やはりこれは素晴らしい。

とひとり肯く私でした。